最近、「ほんとに日本語書くの下手だよね」と彼女に言われ、私自身かなり自覚があったが面と向かって言われショックを受けたので、とりあえず最近読んだ本の書評をしてみる。
今日はこれ↓
ロードアイランド・スクール・オブ・デザインに学ぶ クリティカル・メイキングの授業 - アート思考+デザイン思考が導く、批判的ものづくり
- 作者: ロザンヌ・サマーソン,マーラ・L・ヘルマーノ,久保田晃弘(監訳),大野千鶴
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: 単行本
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結論から言うとめちゃくちゃ面白かった。
なぜこの本を読んだか?
MIT Media labで最近バズっているらしいワードであると聞いたから。以前にデザイン思考の本は読んだのだが、ユーザーが何を考えているのか?何を望むのか?を中心に据えるデザイン思考に「自分は何をしたいのか?どうしたいのか?」という観点が含まれていない気がしていて違和感を感じていた。アート思考ならその点を払しょくしてくれるのではないかと思い、この本を読んでみた。
書評
RISDの学生は大学にいる数年間でひたすらシンクとメイクを繰り返す。自分の考えをモノに落とし込み、それを自分、または他人から厳しく批評される過程で、自分が作ったものを本当に理解する。そして自分が当初予想もしていなかったことに気付く。そうやって自分の考え、価値観を深化させていく。ただ、そこで自分の作品に自分の考えを入れ込むには、制作の方法論を学ぶだけではだめだ。この社会とはなんなのか、自分はどう世界をとらえているのかという教養が必要である。ISDの学部生は必修科目の3分の1を哲学や心理学、文学、歴史などのリベラルアーツ科目から選択するらしい。素晴らしい。その中で刺さったのが以下の言葉
(リベラルアーツの起源が古代ローマにあるという話の中で)その時代には哲学の研究は技能と学識からなり、機械的でも世俗的でもなく、自由人が公職としてフルに参加できるものだった。
めっちゃ刺さった。以前、ショーペンハウアーの幸せについてを読んだ時にも科学者や芸術家は本来わけられるべき存在ではない、みたいなことが書いてあった気かがするんだけど、本当にそう思う。思想なき科学、表現は誰も幸せにしないし、果てには暴走して社会を壊すかもしれない。結局、自分は世界をどうしたいのか、何を残したいのかを芯に持っておくべきなのではないか。
最近は、この技術があるからこれをやってみました。まだ誰も試してみませんよね?僕が一番乗り!みたいな研究や開発が多いと思っていてそうじゃないだろと感じている。アート思考の「まず自分がどうしたいのか、何をしたいのか、何をしたのか」を作品の制作というプロセスを通して知っていくというやりかたは非常に参考になると思った。