日本では2024年1月17日に公開したガンダムジークアクス、期待をいい意味で裏切る衝撃的な内容ということで大きな話題になっていた。
私も一応一通りガンダムシリーズを通っており、公開前から大変気になっていた。
そもそも私はガンダムシリーズも好きだが庵野作品の大ファンであり、基本的に庵野さんが関わった作品は全て劇場で観ることに決めている(ちなみに一番好きな映画作品はエヴァ:破)。その庵野さんが関わったガンダムとか好きなもの×好きなものの組み合わせなので絶対に映画館で見たかったのである。(さらに最近YouTubeで限定無料公開していた鶴巻監督のフリクリも視聴しており、鶴巻監督ファンにもなりつつある)
フランスでも頼むから公開してくれ、無理ならワンちゃん帰国するぞくらいの勢いで待ちわびていたのだが、日本でのヒットを受け、遂に3月15日、3月16日の2日間限定でフランス全土での公開が決まったのである!正直、ワンピースとか宮崎駿ならフランスでも公開されそうだが、ガンダムが公開されるのはビビった。フランスにもガンダムオタクは存在するんだろうか...?
というわけで早速行ってきた感想。
上映前
映画はGrand Prixというパリ中心の映画館に行ってきた。もちろんネットで予約していき、入り口でQRコードを見せると地下の部屋に案内された。
トイレに行くと目の前に2人今からガンダムを見るであろうフランス人が手を洗っており、片方の男性は背中にジオン公国のロゴがでっかく描かれたパーカー、もう1人の男性は鬼滅の刃に登場する水柱・冨岡義勇が大きく描かれたパーカーを来ていた。フランスのアニメオタクという感じでめちゃくちゃいい。私もシン・ウルトラマンの防災庁パーカー来てくれば良かった。(フランスでは誰も日本語を分かってないのでちょっとしたシンボルや漢字が入った特撮やアニメのパーカーとかTシャツを外で堂々と着られるのである。)
劇場内の様子
フランスでは多くの映画館で座席予約ができない。今回行ったGrand Prixもそのタイプだったのでちょっと早めに劇場に入ったのだが、上映開始15分前の時点で4割くらい席が埋まっていた。思っていたよりも少ない。
そのうち80%は良い感じにガンダム好きそうな男性、10%はカップル、10%はアジア人、アジア人は女性が多かった。親子で来ている人もいた。みんな開始前から(おそらく)ガンダムの話をしており熱量は高めだった。こんなにフランスの人が日本のガンダムを見にわざわざ劇場まで来ているのだと思うとちょっと誇らしい気持ちになるのだった(ただの視聴者だけど)。
フランスは映画開始前の広告がクソ長く、多くの人がそれを見越して上映開始時間より少し遅れて劇場に入ってくる。最終的には7割程度席が埋まり、いよいよ上映開始である。
以下感想ネタバレ
映画の感想
ストーリー激アツ
いやーめちゃくちゃ面白かった。シャアが乗ったガンダムが起き上がった時は笑いそうになってしまった。お前でも立つんかい。
シャアが「あの閃きが全てを変えた」とか言ってたが、正規宇宙で逆シャア後、宇宙を漂ったシャアの精神がジークアクス世界のシャアの精神に感応して世界線が変わったとかありそう。ゼクノヴァの時にキラキラの中でシャアが会った人物が正規世界のシャアだったりしたら熱い。それで本編で池田秀一ボイスのシャアが登場したりしたらクソ熱い。
節々から伝わるエヴァっぽさ
「シャロンの薔薇」とかいう謎オブジェクトが登場したのもエヴァっぽくて熱かった。ゴルゴダオブジェクト的な。あれはサイコフレームなのかな?宇宙世紀のマルチバース化の根拠になりそうな謎アイテムである。
ガンダムのコクピットに無理やり取り付けたサイコミュがやたらメカメカしい感じで良かった。正規仕様から突貫工事で機体を改造するというのが非常に庵野さんっぽくていいよね。オメガサイコミュ時のコクピットは完全にエヴァ破のダミープラグだったな。ジークアクスに対して「こいつ歯があるぞ」とか言われてたけど絶対マチュ覚醒からのコクピット変形でジークアクスの拘束具破壊、歯見せ、暴走するやつじゃん(妄想)。楽しみすぎる...
流石のアクションシーン
アクションシーンも流石のスタジオカラークオリティ。大迫力だった。最近、フリクリを初めて見て、pillowsの楽曲に合わせたド迫力のアクションシーンに衝撃を受けた。エヴァ:破で私が一番好きなシーンが"The Final Decision We All Must Take"をバックに弐号機がザ・ビーストを発動してゼルエルのATフィールドを食い破るシーンなんだが、ああいう音楽とアクションシーンがマッチした激アツのクライマックスシーンを描けるのって鶴巻監督のお陰なんですね...Plasmaが流れるタイミングも最高でした。
キャラ立ちも良い
喜怒哀楽が激しいマチュがまさに鶴巻監督のキャラって感じで良かった。ガンダムにおいて可愛らしい主人公って初めてなのでは?既存のガンダム主人公のようにはあんまり曇らないでほしい。けどシビアなのも見たい。複雑。エグザべ少尉も良かった。ニュータイプだけど、主人公に比べて才能に乏しいキャラって既存のガンダムにも時々いるけどエグゼべ君は素直に力不足を認めて努力で補う方向に行きそうなのがいいよね...どうかこのまま鉄血のアインみたいならず、努力と根性でついていくキャラになっていってほしい。全体的にキャラが爽やかで良いよねジークアクス。ここらへんも鶴巻監督の作品って感じがする。フリクリみたいな感じであんまりシリアスになり過ぎず、ノリと勢いで敵をぶっ飛ばす感じの作品になって欲しい。
しかし、このあとどうなるんや?
とにかく一年戦争ifルートもジークアクスも大満足だったのだが、このあとジークアクスがどういうテーマでやっていくかは掴めなかった。マチュも今のところ半端ないニュータイプ適性を持ったただの女子高生って感じで大きなバックストーリーはなさそうだし。ジオンに入って地球連邦軍と戦ったりすんのかな。なんだかんだ地球連邦に遅れて入ったアムロと戦うとか?何にしても本編が楽しみである。
フランス人の反応
Beginninパートの反応は微妙...?
映画をご覧になった方はご存知の通り、この映画は一年戦争でジオン公国が勝利する世界線を描くBeginingパートとジークアクスパートの2つに分かれている。私なんかは初代ガンダムのタイトルコールのチャラララーという音が鳴った時から爆笑しそうだったのだが、Beginningパートを通してフランス人にはあまりパッと来てなさそうな感じであった。日本での公開から2カ月が経っているので既にネタバレを見ているからかもしれないが、もしかしたらファーストガンダムを見てない人が多いんじゃないかな?と思った。(ちなみにフランスのNetflixにも初代ガンダム劇場版3部作は存在する。)アナザーセンチュリーかと思いきや宇宙世紀のifルートというサプライズはちょっと敷居が高かったのかもしれない。
ジークアクスパートは好評
一転、ジークアクスパートは皆かなり楽しんで見ているような感じがした。間に挟まれるギャグパートでも笑い声が漏れていたし。(ニャアンがマチュとシュウジでクラバトに勝てるのか不安に感じるシーンとか)フランスでは映画が終わるとエンドロールを見ずに皆さっさと退場するのが普通なのだが、今回は半分くらいの人が最後まで見ており、終わったあとも一緒に来た友達とガンダムトークをしながら退出していたのだった。私は一人でマック食って帰ったが...。
まとめ
どうやらTV版ではBeginningパートは放映されないらしいので映画を見に行けて本当に、本当に良かった...今後のガンダム作品も何卒...何卒ヨーロッパでも上映お願いします..