最近Xでは毎日のようにAIツールを使って5秒でこんな事ができた!もうプログラマー失業!乙!という議論が交わされている。
生成AIによりプログラマーが大量失業の恐れ…米ペンシルバニア大の最新研究 #Talk https://t.co/M85WZeY8tz
— ニライカナイφ★ (@niraikanai07) February 19, 2024
立教大の田中道昭教授「安泰だと思われていたプログラマーへの影響が特に大きい。ホワイトカラーが担っている仕事の3割はAIによって代替される可能性が高い」https://t.co/fmGoINKC0A
正直どうせ大したことないんやろ(震え)と思っていたが、まぁ試さずに否定するのは良くないと思い、今回はClineというツールを使ってAIプログラミングを試してみた。
AIエージェントによるプログラミングは、AIの使用量によってお金を払う従量課金制のサービスが多いが、今回試したCline+Gemini2.5Proの組み合わせでは一日に決められた一定の枠の分は無料で試せるので、気になる方はぜひやってみてほしい。
Clineとは
ClineはAIエージェント機能がVisual Studio Codeで使えるようになる拡張機能である。ClineをインストールすればAIとのテキストによる会話でのプログラミングが可能になる。すごいのが、コードを書いてくれるだけではなく、PC上のファイルの移動や、コマンドプロンプトでのコマンドの実行もAIがやってくれることである。もしその実行中でエラーが出たとしても、Clineが考え直してエラーを修正してくれる。最早人間に残された仕事はClineが書いてくれたコードやコマンドの実行に対して、受け入れるか却下するか判断してクリックするだけである。しかし、ClineだけではAIエージェント機能は動かない。Clineが利用するAIを選択する必要がある。これがChatGPTや今回使うGoogleのGeminiである。
Gemini 2.5 Proとは
Gemini2.5 ProはGoogleが開発したAIで、OpenAIが出したo3-miniより性能がいい凄いAIである(語彙力)。
詳しくは以下
現在、毎日一定の量であればお金を払わずに使用することができる。
さて、早速インストールの仕方を解説する。
Visual Studio Codeをインストールする
まずは統合開発環境であるVS Codeをインストールしよう。インストールの方法はネットに転がりまくっているので割愛する。以下参考。
拡張機能からClineをインストールする
左タブの拡張機能で「Cline」と検索し、インストールする。

Google AI StudioでAPIキーを入する
さて、これでClineのインストールは終わったが、Geminiを使用可能にする必要がある。GeminiをClineで使うにはAPIキーというのが必要になり、これを入手するためにGoogle AI Studioにアクセスしよう。
アクセスしたら真ん中の「Sign in to Google AI Studio」からお持ちのGoogleアカウントでサインインしよう。

サインインが成功するとGoogle AI Studioのトップページが表示される。右上の「Get API Key」をクリック(もしかしたら日本語かも)

右上のAPIキーを作成するをクリックするとAPIキーが表示されるので、真ん中の「コピー」をクリック

ClineにAPIキーをセットする
さて、ここまで来たら後はAPIキーをセットするだけ。Visual Studio Codeに戻ろう。
左タブの拡張機能からClineを選択すると、APIキーの入力と使用するモデルの選択が求められるはず。ここで先程入手したAPIキーをコピペで貼り付けよう。API Providerは「Google Gemini」Modelは「gemini-2.5-pro-exp-03-25」を選択。

これで設定は完了!AIコーディングを始められるぞ。
AIまとめブログを作らせてみた
さて、せっかくインストールしたのでなにか作ってみたい。私はまとめブログを読むのが大好きで毎日かなりの時間をまとめブログを読むのに割いている。そんな中で、最早色んな話題に対して人間じゃなくてAIが感想を言っても満足度が変わらないんじゃね!?という仮説があり、今回はAIが人間の代わりにニュースの感想を言ってくれるAIまとめブログを作らせてみた。
指示はこんな感じ
以下の要件を基に、AIたちが人間世界のニュースについて語るAIなんJまとめブログを開発してください。TOPページに数記事のタイトルがあって、アクセスできるようにお願いします。
# 背景
今、私たちは毎日2chのまとめブログを見ているが、もはや誰が言ったとか気にしてないし、別にAIが喋っててもそこそこ楽しいんじゃね?という気がしている。逆にAI民たちが、人間の話題について反応するというまとめサイトがあっても結構面白いんじゃないかと思い、このAIなんJまとめを発想するに至った。
## どんなものか
見た目は普通のまとめサイト。人間世界の色んな話題について、AIが感想を言う。普通に人間のように感想を言っているやつ、AIならではの視点で「人間は愚かだなぁ」というスタンスで見てるやつ、荒らすやつなど色んな奴がいる。
## 体験のキモ
AIらしく、綺麗ごとっぽいことばっか言ってると飽きそう。ある意味バランスを欠いた、極端なことを言わせられるかが肝になる気がする。そういう意味で各エージェントをどれだけ個性的にできるかが大事そうである。あとは話題の網羅性も大事な気がする。どんなことにでも会話ができるというのがAIのいいところな気がするので。
## 各AIエージェントについて
【AIの個性について】
感想を言うAIは次の通り。VIPPERのような口調で感想をいうエージェント(VIPPER)、ニュースに対して否定的な荒らしのような発言をするエージェント(エージェントタイプ:荒らし)、女性から見た視点の感想を言うエージェント(エージェントタイプ:ガルちゃん民)、自分がAIであることに気づいており悟ったようなことをいうエージェント(エージェントタイプ:AIやろう)、フェミニスト的な視点から感想を言うエージェント(エージェントタイプ:ツイフェミ)、右翼的な視点から感想を言うエージェント(エージェントタイプ:ネトウヨ)、中二の視点から突っ込みをいれるエージェント(エージェントタイプ:中二病)誹謗中傷も辞さない過激なことも言ってみて。
またこれらのエージェントに追加して、よく2chにいるようなキャラクター設定を持つエージェントを3人参加させて。【スレッドとレスポンスについて】
このAIエージェントたちで議論するスレッドを出力して。
スレッドの中にはレスポンスを30個書いて。
そのうち、ランダムに1~5個のレスポンスでは、ランダムに選んだ他のエージェントタイプのエージェントから返信が来て議論するようにしてみて。2chのアンカーみたいな感じで。
最後のレスポンスは、全体をまとめるような感想を書いてみて。【出力の形式について】
スレッドタイトルの次に、ニュースの要約、その次にスレッドという形にしてみて。
さて、AIは作ってくれるのか?AIコーディングの風景を録画したのでどうぞ。
ま~すごいわ。どんどんコード書いてってくれる。私がやるのは「Save」ボタンを押すのみ!正直詳細はよくわからないので全部承認!最後はブラウザで開くところまでやってくれようとしたけど、コマンドが間違っていたのでそこだけ私が入力した。
そしてできたのが以下のページ
すげ~。ちゃんとまとめブログっぽく作ってくれてる!ちゃんと読んでみても文章やレスの整合性なども取れている。ガワだけなので、実際に公開しようと思ったら色々あるが、プロトタイプとしては十分なレベルである。ちなみにFreeプランでは一日の使用量が制限されているので、一日に使いすぎるとエラーとなるので注意。
AIコーディング、確かにこれはすげえ
まじで何もコード書いてないけどWebサイトを作ってくれた。確かにこれはすごい。特に何かアイデアがあってちょっとしたプロトタイプを作ってアイデアを検証したい場合にとても良さそうである。しかし、この後仕事にも使えるかと思って使ってみたところ、色々と問題が出てきたのであった。この件は次回。