善悪の彼岸

ノリと勢いでフランスに来たエンジニアがフランスでの生活について書くブログ。週2更新(なるべく)。

中国人留学生への奨学金問題について思うこと

参院選のちょっと前から、中国人の博士課程留学生への返還不要の奨学金について議論になっているが、これについて思うことがあるので書いておこうと思う。

www.nikkei.com

 

博士課程の学生について国籍問わず経済支援するのは日本以外では普通のこと

日本において博士課程は基本的にお金を払って行くものだが、国際社会では博士課程はお金をもらっていくものである。私が今いるフランスでも、基本的に国籍問わず全ての博士課程学生は国から月1700ユーロ(およそ30万円)もらって博士課程に行くことができる。学生というよりは労働者とみなされている感じがする。

その代わり、その予算を勝ち取るための国内のコンクールがあり研究計画を出してそれに合格するか、教授に予算を出すと認めてもらわないと博士学生にはなれない。なので日本より狭き門ではあるかもしれない。恐らくヨーロッパの大体の国で同じようなシステムだと思うし、スイスなんかでは月50万近い給料を貰いながら博士課程に行くことができる。もちろん海外からの学生もその資格がある。

 

世間の声に押されてさっさと規定を変えてしまうのはヤバい

ネット上で「外国人には返還不要の奨学金を出すな!」という声が高まるのはまぁわかる。しかしそういう感情的な声に対して、実情を知っているはずの文部科学省が、すぐに受給資格者を日本人に限定する案を出すという短絡的な考えで制度を変えようとしているのがヤバい。正気か?そんなことをしたら諸外国から排外主義の国だと思われかねないし、国同士の研究交流も阻害されるだろう。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

そもそも日本の税金の使い方を見直したほうが良いのでは?

私も返還必須の奨学金を借りて日本の大学を卒業した身である。日本人の多くの人が返還必須の奨学金を借りてなんとか大学に行っているのは私も問題だと思う。しかしそれは博士学生に対する支援の受給資格者の国籍を制限することとは別問題だろう。

ちなみにフランスではEU国籍の学生は年間およそ5万円で大学・大学院にいける。EU以外の国籍の学生でも同じ料金で通える大学は多い。私も2025年度に支払う学費は5万円くらいになりそうである。更にほぼ全ての学生が受けられるCAFと呼ばれる家賃手当の制度があり、大体月3万~5万ほど貰える。これは完全に国籍によらず、外国人である私ももらえる予定である。日本から来てフランスにまだ税金も納めていない30代男性にだぞ?ここまで手厚く支援してもらえると流石にフランスを好きにならざるをえない。太っ腹な国である。人口がおよそ半分のフランスでこれらの手厚い教育制度が維持できるなら日本でもできないわけなくね?と思ってしまう。世間の声に押されて安直に国籍で受給制限なんかしてないで、税金の使い方を見直して全体的にもっと手厚い教育支援をしたほうが良いのでは・・・?