善悪の彼岸

ノリと勢いでフランスに来たエンジニアがフランスでの生活について書くブログ。週2更新(なるべく)。

グループワークでは「強い意見を弱く持つ」のがとても大事

最近、授業でグループワークをやっていて「強い意見を弱く持つ」ことが大切だなと感じる。

 

全否定された私の提案

これを意識する大切さに気付いたのはある授業でのグループワークでのことだった。チームメンバーはフランス人学生とインドネシア人学生と中国人学生と私の4人グループであった。お題は赤ちゃんの睡眠を改善するためのデバイスを設計すること。私はエンジニア出身なので、どういうセンサーで睡眠計測しようかな〜と考え、赤ちゃんの手首や足首に巻くブレスレットタイプのデバイスや、よだれかけにセンサーを仕込むことを提案した。そうしたらチームメンバーのフランス人に猛烈に反対された。彼女曰く、赤ちゃんにセンサーを付けることなんてあり得ない、テクノロジーと幼児をそんなに近づけてはいけないとのこと。あまりにも論外という態度を取られたので、そのあなたの感覚もちゃんとユーザーインタビューやアンケートを取って調べなきゃいけないんじゃないの?と反論した。そしてその後、子供を持つ親にユーザーインタビューをしたところほぼ100%の親がセンサーやデバイスが赤ちゃんと近すぎることに対しての懸念を示した。私の考えは間違っていたのである。そこで、フランスでは子供とテクノロジーの関係はかなり議論になりやすく赤ちゃんに対してのテックという議題そのものがかなりセンシティブであることを知った。

 

強い意見を弱く持つ

私の提案は受け入れられないものであったが、チームでのアウトプットの質を高めるのに貢献するという意味で、自分の意見を言う事は非常に大切である。しかし、各々の文化的な違いから全く違う意見が出てくることは当たり前であり、特に私のような外国人からは理解しづらいフランス人的感覚というのが確実にある。

 

そういうときに大事なのが「強い意見を弱く持つ」ということである。そもそも意見を言わなければプロジェクトは前に進まないし、誰にも認められない。一方で色んな人に配慮した意見はフニャッとしてしまいパワーが出づらい。なので現状自分が持てる情報をもとにコレだと思う意見を自信満々で提案する。その後、まったく意見が出て、どうやらそちらのほうが正しそうだとなったら自分の間違いを認めて相手の意見に全力で乗る。ここで大事なのは自分の意見が間違っていたらと言って自分がダメだと思わないことだ。調査の段階が進んで仮説が間違っていたと気づくことなんていくらでもあるし、こと文化の違いに関して予め理解することは難しい。手のひらクルクル上等である。

 

無駄かもしれないけど全部やる

あと特に国際的なメンバーでタスクを進めなきゃいけない時に大事だなと思うことは、無駄かもしれないけど全部やるということだ。フランス語は日本語に比べればローコンテクストらしいが、何か課題を与えられたときに自分が何をすればいいのか?どういうことを期待されているのか?と戸惑うことが多い。そして見当違いなことに取り組んでしまうことなんてしょっちゅうである。そんな状態でほかのフランス人学生のように無駄のないキチッとしたアウトプットを出すのはほぼ無理だ。そんなときはチーム全員のアイデアをすべて盛り込んだ盛り盛りのアウトプットを出す。そうすると、ある部分は無駄かもしれないけどどこかの部分は当たってたりする。ちょっと方向性が違っても必死に考えてひねり出した内容ならプラスアルファの内容として認めれることがほとんどである。逆にこれが求められている!と高を括って集中し、全く見当違いのことをしてしまうほうが恐ろしい。

 

相手に任せる

また、文化圏が違うメンバーでやるからこそタスクを明確に分割し、基本的に相手に任せることが大切だと感じる。ちょっと自分の感覚からズレた「ん?」と思うものが出てきてもこちらの考えに合わせようと強く批判しないほうが結果的によい気がする。どうせ頑張っても相手の感覚は分からないし、こちらの感覚もなかなか伝わらないからである。それよりもその人が得意なところを任せてその人らしさを全開に出してもらうほうがプロジェクト全体が厚みのあるものになる。よって、なるべくお互いの個性が悪い意味でぶつからないようにタスクを明確に分割し、各々の長所が出るようにタスクを分担することが大切である。

 

プロジェクトの評価

結果として私たちのプロジェクトはユーザー調査からアプリデザイン、ハードウェアデザイン、ファンクショナルプロトタイプとそのテストといった全部盛り盛りプロジェクトになった。それぞれのフェーズでの内容が豊富で、先生からの評価はかなり高かった。フランスに来てから多くのチームプロジェクトを授業でやってきたが初めてちょっとうまくいったなと感じることができた。