善悪の彼岸

社会人5年目、ものづくりと哲学と研究が好き

個人開発と素人発想・玄人実行

お久しぶりです. 無職になってから3か月目突入しました.生きてます.

最近は英語とフランス語と勉強しつつ,フリーランスエンジニア(仮)としてWebアプリ(Vue.js)開発したり,自分の好きなもの開発したりして埼玉で暮らしてます.

最近の個人開発

さて,今個人でドラゴンボールスカウター的なARシステムを開発している.

M5StomS3を使ったARスカウター(開発中)

ランニングしてるときに,視界の隅で走っている状態(タイムとかペーストか)を常時表示してくれねぇかな~と思い付き,作っている(どこかで公開する予定)

悩み

しかし,メカ設計をしていくと,な~んか見た目がかっこよくならず困っていた.

GPSユニットが本体基板の前側にあるのだが,それのせいで何となくドカッとした見た目になってしまうのである.

一人で考えてもどうすればいいかわからず,仕方ないので妻に相談してみた.

妻はここらへん門外漢なので,正直あんまり期待していなかったんだが(失礼),何かいい方法ないかな~と尋ねてみると「多少分厚くなってもいいから,GPS センサーをメイン基板の裏にしたらデバイス全体が短くなっていいんじゃない?」と教えてくれた.

全然思いつかなかったのでビビった.そのとおりである.

妻の言うとおりにGPSユニットを基板の裏に配置するとだいぶ見た目がすっきりした

あと,「ディスプレイ固定するために支えがあるのがださいなぁ.ディスプレイがドローンとかで浮いてたら面白いのに」と妻.

天才か・・・ARのためにディスプレイをドローンで空中に固定するとかぶっ飛んでる.ドローンで浮いてればデバイスの重さの問題や,人によって付け心地が変わってしまう問題も解決しそうである. まぁどっかの研究であるかもしれんが,普通に面白い発想でびっくりした.

知識をつけることの不可逆性

私みたいに日頃から,最新のデバイス!とかXRの動向!とか自然に調べたり作ったりしている人間からは出てこなそうな発想である. こうしたらこうなるだろう,みたいなのが,下手にわかってしまうので,こういう柔軟なアイデアが出てきづらくなっている気がする.

ヒューマンコンピュータインタラクションの専門家でカーネギーメロン大学教授の金出 武雄先生が,「独創はひらめかない」という本の中で,「素人発想,玄人実行が大事だ」ということを言っていたのを思い出した.

子供のように素直に発想し,プロとして厳密に実行しろという言葉である.

これがまぁ難しい.

当たり前だが,知識をつけることは不可逆的なものなので,知る前には戻れない(だから哲学が面白いんだが).

しかしどんどん知識をため込んでいくと,それに引っ張られて柔軟な発想ができなくなる.

歴史上,革新的な発見は,その大体が全く別の分野から飛び込んできた門外漢によってもたらされたと聞いたことがあるが,そういうことなのかもしれない.

かといって,知識をつけていくのは止められない.興味があるし,楽しいので.

じゃあどうすればいいのかって話なんだが,妻のようなあまりその分野に詳しくない人に,自分のアイデアや作ったものを見せて,ぽろっと出てきた一言からヒントをもらうしかないのかもしれない.