善悪の彼岸

社会人5年目、ものづくりと哲学と研究が好き

坂口恭平さんの「継続するコツ」を読んでる

継続するコツという本を読んでる。

 

 

 

著者の坂口恭平さんは、アーティスト(?)で自分の絵とか本を売って暮らしている人(?)。

 

以前なネットの記事を見て、知ってた。

 

https://www.asahi.com/and/article/20200925/16079494/

 

最近、なんか作ったりランニングしたりする習慣が崩れ始めており、何か刺激がほしいなと思っていたところ、Twitterで坂口さんがこの本を出したよ〜ということを告知してたので読んでみたところめっちゃ当たりだった。

 

内容としては、「なにか作ってる状態」自体が幸福なんだから「私には才能がないし」とか「自分が作れるものなんて他の人よりショボいし...」とか言ってないでとにかく作り続けろ。ということを言っている。

 

「幸せとは、自分が興味のあることを今も継続できていることである」

 

特に何かを継続しようとしたときに、継続出来なくなる心理についての描写がとても的確で、「めっちゃわかるわぁ」となった。

 

才能がないから、と何かを諦めた人は、才能がないから諦めたわけじゃないんです。その逆なんです。私は才能があって当然なのに、何かを作ってみたけど結果として形になったものは酷い有様で、こんなのは才能がある私が作ったものとは思えない。そのギャップに苦しんでしまって、ついには諦めてしまうのです。

 

スランプが起きたと感じた時は、おそらく、もちろんこれは僕の推測ですが、作りたいものの誤解が生じているってことです。今作ろうとしているものが作りたいものではなく、作りたいものは他にあり、しかもそれはもうすでに存在しているが、気づいていないだけです。スランプを感じた時には必ず、作らなくちゃいけない、と感じていて、はっきり言うと、退屈しています。その延長線上には、あなたが楽しみながら作れる世界はありませんので、さっさと諦めて、全部止めましょう。

 

継続し続けてきた坂口さんだからこそ分かる、継続する上でぶつかる色んな葛藤や障害への対処方法が愛を持って紹介されていた。

 

それもあまり押し付けがましくなく、「ほらこんなに楽しいからやってみようぜ?」という感じで、ちょっと背中を押してくれる言葉で溢れており非常に元気をもらえた。

 

挫折ってマジで意味のない言葉ですよ。つまらないからやめた、飽きたからやめた、でいいじゃないですか。

 

継続することが大事であって質はどうでもいいんや!と言い切るだけあって、本の構成もキチッと構成が決まっているって感じではない。

 

それよりは坂口さんの脳内に流れてる考えを思いつくがままにそのまま文章にしたという感じで取りとめなく、坂口さんの脳内を覗いているようでなんだか不思議な読書体験だった(なんか一緒に文章を隣で考えてるような気分になる)。

 

いやーこの本で言われてるとおり、なにか作ってる時ってめっちゃ楽しいしもう最高の気分なんだけど、出来上がった途端にショボく見えてきちゃうんよな。そんでTwitterでもっと凄いことやってる人見て、俺のしょぼいな〜ってなる。

 

だったらとりあえずゴミでもなんでも作り続けて、その作り続ける状態が生み出す作業幸福に永遠に浸ってようぜ?というのはマジで正しい気がした。時々その積み上がったゴミを眺めてニヤニヤしてたら人生幸福じゃん?みたいな。完全同意である。

 

いいなー。そういう人生がいいなー。ゴミを作り続けて死ぬ前に見返して、「まあ色々作ったな」って納得できる人生だったら最高やな。

 

なんかバックホーンの運命複雑骨折を思い出した。

 

表現は所詮排泄だ

クソで涙してクソで共感を求め

クソを賛美してクソに人生をかける

売れればいいけれど売れなきゃただのクソ

 

あの曲マジすこ。