善悪の彼岸

ノリと勢いでフランスに来たエンジニアがフランスでの生活について書くブログ。週2更新(なるべく)。

AIエージェントを仕事で使うには俺はまだ未熟かもしれねえ

前回の記事でAIエージェント、Clineを使ってみたという話を書いた。

chamekichi.hatenadiary.jp

体験としてはとても面白く、「ここまでできるのか」と驚いたのだが、一方で仕事にClineを使ったり、配布するようなソフトウェアのコードを書くのにClineを使うのは厳しいかもしれないと感じた。今回はそう感じた理由について書いていこうと思う。

 

わからんことを、理解できないままやられるのでブラックボックスになりがち

ClineのようなAIエージェントは一度指示を出せば、ガンガンコーディングや設定を進めていく。一応何をしたか、何をするつもりかを都度書き出してくれてその度に承認するか、却下するかを決めながら進めていくのだが、数秒で書かれた数百行のコードをチェックする気にもなれず、脳死で承認を押すことになる。まだコードならばあとで自分でチェックできるのでよいが、コマンドプロンプトを直接叩かれるとなると話は別である。ちょっと目を話した隙に、よく分からんコマンドを実行されるので「え、お前今何インストールした?」「何設定した?」となる。ほとんどヤムチャ視点である。エラーなんか出たときには疑心暗鬼になり、自分で承認したくせにAIのせいにしたくなる。エラーの修正やプログラムの修正も、自分の理解が追いついていないのでClineに頼むしか無い。ブラックボックスである。

 

AIは責任が取れない

なんかAIエージェントとのコーディングは、あんまり文脈はわかってないけど、異常に知識が多く、コーディングが速い後輩と働いている感じである。時々よくわからんことをやりだすけど、知識も能力も自分より遥か上の後輩。まだ後輩が人間ならいいけども相手はAIなので、何かあった時に「こいつがやったんです!」とは言えない。AIは責任を取れない。よって、自分が責任を取れる範囲の作業しか頼めないということになる。

 

結局自分の実力をあげないとAIエージェントは使いこなせない

自分が責任を取れる範囲の作業とはすなわち自分が理解している範囲の作業である。ということは、Clineに頼めることは自分の知識やスキルに依存することになる。以下の図のような感じ。

結局自分のスキルや知識を磨かないと、AIエージェントも使いこなせないという身も蓋もない話であった。また、clineで生成するコードの品質を高めるには、当たり前のことながら精度の高いプロント(指示)が必要となる。精度の高いプロンプトを作るには、作りたいものを正確に言語化する能力とどういう手段で実現するかというエンジニアリングの知識が必要となる。結局自分の力量次第であり、現時点での自分はまだClineを使うには早すぎるというのが感想である。ChatGPTにヒントをもらいながらひとつひとつ手を動かして確認していく、くらいが今の自分には合っている。

 

元々能力が高いエンジニアが使ったらヤバそう

色々とネガティブなことを言ったが、AIエージェントが凄まじい生産性向上を生み出すシチュエーションもあると思う。ひとつは元々能力が高いエンジニアがAIエージェントを使う場合である。頼みたい作業が、自分が一度試したことがあり、自分でもできるんだけど変更箇所が多くて時間がないという場合には、AIエージェントは凄まじい生産性の向上をもたらすと思う。つよつよエンジニアがAIによって超絶つよつよエンジニアになる。もう一つはとにかく何か動くものを作りたい場合である。前回の記事でAIまとめブログのプロトタイプを作ってみたが、何か自分が持っているアイデアをちょっと形にしてみたいとか、何かの企画を通すのにとりあえずそこそこ動くプロトタイプがほしいというような場合にはAIエージェントが使えると思う。