善悪の彼岸

ノリと勢いでフランスに来たエンジニアが個人開発や好きな哲学、フランス生活について書くブログ。

UIと組織の複雑さについて

私は製造装置のUIを担当している。

 

コーディングはしてないんだけど、仕様決めたりデザインをAdobeXDで作って実装をお願いしている。

 

製造装置のUIは、普通のBtoCの製品のUIと比べてかなり古めかしいデザインと操作感をしている。(大体WindowsFormsで作られてるのでWindows98みたいな見た目)

 

UIを使うユーザーは、トレーニングを受けた工場のオペレーターなので、そんなに使いやすくなくてもええやろという雰囲気がある(偏見)

 

私はそうは思っていない。というのも分かりづらいUIで操作をして間違った条件で生産すれば、不良品が発生するし、なにかトラブルが起きたときに復帰しやすい操作系にしなければ生産効率が落ちる。あとクソ高い装置を買ってUIダサかったら萎えない?装置の操作を行うオペレーターがどんな文化的な背景を持ってるか分からないので、万人に装置の状態や操作を伝えるためには結構工夫がいる。

 

というわけで今の部署に移ってきてから装置の操作系とデザインを一新した。私はデザインのプロじゃないのでボタンやアイコンはプロのデザイナーに作ってもらった。

 

まあそれはどうでもいいんだけどUIを設計してる中でちょっと思ったことがある。

 

それは装置のUIの複雑度合いはその組織の複雑度合いを反映してるんじゃないかということである。

 

私の部署は他の部署に比べて少数精鋭で開発してるので、UIの仕様は基本的に私が考えている。なので、操作の手順とかメニューの階層は私が決めるし基本的にそんなに文句は言われない。

また、装置全体の仕様を全メンバーがだいたい理解してるので、まあこの機能はここにあるよねというイメージをみんなが持っている。

 

ただ、もっと大人数で装置を開発してる部署はかなり大変そうである。

まず人数が多くなると当たり前だが分業が進むので、装置全体の仕様を知っている人間が少なくなる。そうすると、似たような機能が全く別の場所に複数あるみたいなことが起きる。

また、別の機能を開発している部署が思い思いのUIを作るので操作感も統一されづらい。

関係者が増えれば増えるほど、責任者も増えるので、UI開発者の設計思想も通りづらくなる。

いざデザイナーが入って改良しようとしても、装置の操作を理解するまでにクソ時間がかかることになるので大体断念することになる。

 

結果化け物みたいなUIが誕生する。

 

なので、大手の装置で使いやすいUIを見るとスゲ〜〜〜となる。それだけでちょっと転職したくなる。